電子実装工学研究所
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実装工学基盤技術

IMSI Model

IMSIのロードマップは他とは少し違うところがあります。 それは、従来技術の延長線上ではなく、自然界の物理法則・物性に素直に従い、従って、本質的に単純な原理・構造に基づく提案になっていることです。

■電磁気学の法則とプラズモニクス的考察に則ったペア線路による配線・接続構造を提案しています。
→周波数を向上させ、基本的な2値伝送を維持することで単純な入出力インターフェースによる高速信号伝送を実現しています。

■固体材料の表面活性を利用した常温接合を提案しています。
→表面活性化プロセスにより接合の低温化を実現し、不必要な界面層のない理想的な直接接合を、高信頼性かつ低コストで実現しています。

ペア線路による高速信号伝送

電気エネルギは2 本のペア線路があって初めて流れます。その流れは光速であり、電磁波エネルギです。なぜ信号がペア線路に閉じ込められるのでしょうか?ペア線路(金属)の基底状態にある電子に対して、電磁エネルギが相補的に電子・ホールを励起し、場のエネルギを安定化させるためです。電子励起にある時間がかかるためミリ波以上での高周波電磁波はペア線路を流すことは難しく、可視光は通りません。このような本質をよく理解し対応すると、ペア線路あたり、FR-4基板400mm長で6Gbps、Ethernet 100mで1Gbpsの伝送が可能です。

論理メモリ共役システムを目指した超高速信号伝送

・配線数増大・3Dマトリックスデバイスに基づく分散並列処理・周波数低減、電磁気学と量子物性に基づく信号伝送の超高速化の極限追求。
・バンプレス・インターコネクト技術と統合して、動的再構成dynamic reconfigurationアーキテクチャも実現可能。
・旧来のニューロコンピュータではない、メモリと論理を兼ねる脳のニューロンに近いCPU(メモリ・論理共役システム)への道筋を示す。

 

スタックトペア線路による高速信号伝送

表面活性化常温接合

表面活性化常温接合法(Surface Activated Bonding:SAB)は、真空中で材料の表面を清浄化・活性化し、その表面同士を常温で重ね合わせるのみで強固な接合を得るというユニークな接合方法で、金属だけでなく、半導体、セラミックス、プラスチックなどのさまざまな材料へ適用できます。近年では、大気中での接合も可能となっています。

夢ではなくなった常温接合技術

・従来の真空プロセスから、より汎用性の高いプロセスとして進化。
・エキゾチックテクノロジからデファクトスタンダードへ。
・MEMSパッケージや異種デバイスの貼り合わせ手法として、さらに量産の実績蓄積。

常温接合

パワーエレクトロニクス実装技術

パワーモジュール

次世代パワーデバイスとして期待されているSiCやGaNなどのワイドバンドギャップ(WBG)デバイスを搭載するパワーモジュールの高性能化・スマート化を目指しています。WBGデバイスは高温動作、高速スイッチング、高耐圧化が可能ですが、従来のSiデバイスに適用されて来たモジュール構造技術をそのまま適用しても、WBGデバイス特性は十分に発揮できません。パワーモジュールWGでは、SiC、GaNの特性発揮するため、3次元配線技術、高放熱複合基板の創出と、それらを構成するための高耐熱材料、部品の研究、パワーモジュールがシステムとして最適に動作するためのセンサ技術を駆使した知能化に関して研究を進めています。

スマートパワーモジュール

・高速動作に伴うノイズ発生抑制/低インダクタンス化配線技術、コンポジット構造や積層基板化などの検討を、3Dプリンタ技術を活用し進めています。また、3次元配線技術により、電子部品搭載の自由度が増え、パワーモジュールの知能化や寿命推定精度の向上にも繋がると期待されます。

パワーモジュール
3Dプリンタによるモジュール試作例